祇園の町並みに残る町家のファサード改修計画である。
伝統的な京都の風情を継承しながら、現代的な感覚を取り入れ、伝統と現代の美意識が調和する外観を目指した。
格子や簾によって生まれる繊細な陰影が、通りに対して奥行きのある表情を与え、落ち着きと温もりを感じさせる佇まいを形成している。外観は間接照明によって柔らかな光が浮かび上がるよう計画し、夜間には街並みに穏やかな光の層をつくり出す。
外装は劣化した部分の補修・更新を行い、既存の意匠を尊重しながら耐久性と美観の向上を図った。特注のロートアルミは意匠設計から行い、モックアップを製作して検証を重ねることで、町家の繊細な表情に調和するディテールを追求している。
エントランスドアには京風名栗を採用。スポットライトによって名栗の凹凸が際立ち、陰影の豊かな表情が夜の街に静かなアクセントを与える。
周辺環境との調和を重視し、京都らしい落ち着いた色調でまとめたファサードは、祇園の町並みに溶け込みながら、訪れる人をやわらかく迎え入れる。